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執筆者の写真kaikoma

特別な日

30年前の今日、七丈小屋は特別な日を迎えていました。

1990年(平成2年)7月18日。

当時皇太子だった現在の天皇陛下が、ここ黒戸尾根を登山をされ、七丈小屋へお泊まりになった日です。

この日の朝は、陛下のお越しを歓迎するように前日までの雨もやみ、梅雨明けの澄み切った青空が広がっていたそうです。

そして翌19日、甲斐駒ヶ岳に無事登頂され、その後は栗沢山、さらにその翌日は仙丈ヶ岳まで登頂されました。

当時30歳の陛下は大変健脚で、一眼レフカメラでの撮影も楽しまれていたそうです。

(2019年5月9日付 山梨日日新聞より)

令和を迎えてすぐに、地元紙にもこの時の様子が掲載されました。当時小屋の管理をされていた矢葺さんとの会話のエピソードからは、ユーモアある陛下のお人柄を垣間見ることができます。


ご存知の方も多いと思いますが、尾白川渓谷駐車場には当時の様子を記した記念碑が建てられています。


30年前と現在では、登山道の一部も別ルートへ変わった箇所もあります。

しかし、おごそかな修験道の雰囲気や足元に咲く可憐な花たちは、きっと当時もそこにあり、天皇陛下もおそらく同じ空気をご体感されたのではないかと想像します。


今年の梅雨は本当に長く感じられます。雨天時の登山は辛いときもありますが、黒戸尾根ではなぜかその雨音も優しく聞こえることがあるので不思議です。この場所ならではが醸し出す雰囲気だろうと思います。当時に想いを馳せながらこの道を歩くのも、とっても味わい深い山行になることと思います。


これまでこの道をつないでくださった方々に感謝し、この先もつないでいけるように。

梅雨明けを待ちわびながら、そんなことを思う、今日は特別な日です。


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