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執筆者の写真kaikoma

3月20日の登山道状況


尾白の駐車場の気温は+5℃。

時折強く降る雨の頃合いを見て出発。

毎回歩く度に雪や凍結箇所が減っていく。

笹平分岐までは雪も氷も殆んどなくなっていた。

しかし足元はぐちゃぐちゃ。アイゼン履きたいくらいだ。

分岐から上は泥と腐った氷が出てきて歩き辛い事この上なし。

刃渡りも岩がしっかり出ていた。

このあと、うっかり転けてしまった。

眠気でぼけーっとしていたか、ストックを突き損ねてバランスを崩した。顔を鎖に打った程度だったが弾みでストックを落とした。

両側切れた刃渡りで何をやっているか!

運よく下まで落ちずに回収出来たが、完全に気が抜けていた。

何度も通ると注意散漫になる。

「怖い」と感じないところは特にそうだ。

気持ちを絞め直す。

五合目の梯子もだいぶん顔を出した。梯子の登り際の氷も減っている。ついホッとしてしまう。

小屋付近の核心部の梯子もずいぶんスッキリしてきた。

登山道もまるで4月の後半のようだ。

厳しい冬が終わった、とやはり感じてしまう。しかし冬が終わっても登山道は新たな危険も増えてくる。雪や凍結箇所もまだらになれば足の運びにも気を使う。

雪が緩みはじめればつい「ホッと」した気分になり、何処かで気の弛みも出てくる。

確かに、春の陽気に解け出した雪面をみると、真冬の時とは違う気分にはなる。

ここは無雪期でも険しい山だったんだ。

そんなことを改めて感じた今回の小屋入りだった。慣れた時こそ気を付けたい。

先日の残念な滑落事故。

同じ山を歩く「仲間」として、亡くなった方の冥福を祈ると共に、大きなメッセージに謙虚に心を傾けたい。

小屋に到着した頃には雨混じりの雪だった。

今夜からは麓も雪の予報だ。

目まぐるしく変化する登山道状況。

何かの役に立てばと書いているブログだが今一度、登山者自身も山行への姿勢を見直していただけたらと思います。


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