尾白の駐車場の気温は+5℃。
時折強く降る雨の頃合いを見て出発。
毎回歩く度に雪や凍結箇所が減っていく。
笹平分岐までは雪も氷も殆んどなくなっていた。
しかし足元はぐちゃぐちゃ。アイゼン履きたいくらいだ。
分岐から上は泥と腐った氷が出てきて歩き辛い事この上なし。
刃渡りも岩がしっかり出ていた。
このあと、うっかり転けてしまった。
眠気でぼけーっとしていたか、ストックを突き損ねてバランスを崩した。顔を鎖に打った程度だったが弾みでストックを落とした。
両側切れた刃渡りで何をやっているか!
運よく下まで落ちずに回収出来たが、完全に気が抜けていた。
何度も通ると注意散漫になる。
「怖い」と感じないところは特にそうだ。
気持ちを絞め直す。
五合目の梯子もだいぶん顔を出した。梯子の登り際の氷も減っている。ついホッとしてしまう。
小屋付近の核心部の梯子もずいぶんスッキリしてきた。
登山道もまるで4月の後半のようだ。
厳しい冬が終わった、とやはり感じてしまう。しかし冬が終わっても登山道は新たな危険も増えてくる。雪や凍結箇所もまだらになれば足の運びにも気を使う。
雪が緩みはじめればつい「ホッと」した気分になり、何処かで気の弛みも出てくる。
確かに、春の陽気に解け出した雪面をみると、真冬の時とは違う気分にはなる。
ここは無雪期でも険しい山だったんだ。
そんなことを改めて感じた今回の小屋入りだった。慣れた時こそ気を付けたい。
先日の残念な滑落事故。
同じ山を歩く「仲間」として、亡くなった方の冥福を祈ると共に、大きなメッセージに謙虚に心を傾けたい。
小屋に到着した頃には雨混じりの雪だった。
今夜からは麓も雪の予報だ。
目まぐるしく変化する登山道状況。
何かの役に立てばと書いているブログだが今一度、登山者自身も山行への姿勢を見直していただけたらと思います。