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執筆者の写真kaikoma

滑落注意

七丈小屋からこんにちは。

今日のお天気は晴れ、気温は+14.1℃(11:00)。


昨晩お泊り頂いたお客様の内、お一人のお客様が、予定の時間よりもかなり遅れて小屋に到着されました。


小屋に到着されてからお話を伺ってみると、このお客様は北沢峠から甲斐駒山頂を越えて来られたのですが、黒戸尾根側を下って来る時に、所々にある雪にかなり苦戦されて時間が掛かってしまったそうです。

特に、七合五勺下の雪渓状の残雪箇所で足を取られて数メートル滑落し、木に引っ掛って止まったそうです。


最近他のお客様からも、この辺りで尻餅をついたり、滑落しかけたというお話を少なくとも2~3人から伺っていたので、気にはなっていました。


数日前にも、当小屋の小屋番が山頂までの様子をお伝えしましたが、本日改めて現場付近の様子を確認しに行って来ました。


第1、第2共にテン場の雪は無くなりました。

テン場の上の登山道も暫く夏の登山道で登る事が出来るようになりました。

日当たりの悪い斜面には、雪が残ります。

ここは雪を避けて通る事が出来ますが、土が水を多く含んでプカプカしています。

不安定な土の上に、大きな岩が乗っている状態なので、用心して手足を掛ける必要があります。

ハシゴからの踏み換え時にも注意が必要です。

雪面のなるべく平らな所に足を乗せるようにして下さいね。

七合五勺(鉄剣が1本刺さった岩)の下の急斜面には、ベッタリと雪が残っています。

もうひと雨降れば、雪を避けて通る事が出来るようになりそうですが、ここが現在は最も危険な箇所と言えそうです。

七合五勺から下を覗きます。

雪面の上部から滑落すると、かなり勢いがついてしまいそうです。

落ち方によっては、大きな事故となってもおかしくはありません。


最近は朝晩も気温が高いので、雪が締まるという事はありません。

今日は10時頃に様子を見に行ったのですが、雪質は水分をたっぷりと含んだシャーベット状で、アイゼンを付けていても、意図せずグリセードのように両足共に滑って行ってしまいそうになるほどでした。

雪が残っている箇所はごく僅かになって来ましたが、そこでの手間を惜しんで、怪我や事故を起こしてしまう事程、つまらない事はありません。

雪を避けて通れるようになるまでは、アイゼン、ピッケル等、自分の安全を守る装備は忘れずにご用意下さい。




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