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  • 執筆者の写真kaikoma

5月28日の日記


今朝の気温は9℃。

空には厚い雲が広がって、連日の強い日差しはお休みの様。

この時期、どうしても気になるのは残雪の状況。

問い合わせでも

「アイゼンはまだ必要か?」

「軽アイゼンで大丈夫か?」

と言う質問がほとんど。

小屋までの雪は殆ど消えたようで、気になるのは小屋から上。

今朝、山頂まで道を見に行ってきた。

テント場までにも多少の残雪。

ここからアイゼンを履くのは些か躊躇してしまう。

第一テント場。雪は消えた。

第二テント場もあともう少し。

程なくして八合への登りになると雪が出始めた。

弛んだ雪がベッタリ。ここの辺りは雪が吹き溜まる。頻繁に踏み抜く。

定まりづらいステップはしっかり蹴り込んで。アイゼンを履けばこの上なく安心だろう。

八合直下になると雪は消える。

しかし八合上からはまた所々雪がある。

尾根を右に巻く箇所は雪がまだある。

トラバースもイヤらしい。

気温も前ほど下がることがないのでステップも崩れやすい。

慎重に。

右に巻くところはもれなく注意。

滑り止めは必要だろう。

出来れば爪がしっかりしている方が安心。

冬季の核心部のルンゼも下部に僅の雪を残すのみ。完全に岩が出た。

岩が続けばまた雪が、の繰り返し。

残雪部分はかなり少なくなった。

二本剣を過ぎて振り返る。

微妙に残る雪。下りは特に侮らず。

山頂直下。

雪は少し。

風も強くて怪しい雲が走る。

天気の良いときとはやはり気分が違う。

晴れた日に来ればよかった。

今日はなんか怖い山頂。

しかしこの雰囲気も霊峰甲斐駒ヶ岳にはしっくりくる。

小雨が少し、そして風が強く寒い。

そんな天気でもやはり来てよかった。

ふとみたら、仙丈ヶ岳が低い空を吸い込んでいた。

雲は低いが視界は開けている。

天に触れそうな北岳。

気付くと空が生き物のように脈を打っているようだ。

些か興奮しながらも、寒いので下山。

晴れの日もいいけどこんな時にも来てみてよかった。

やはり八合から下の残雪部分は下りは注意。スリップもそうだが下りで踏み抜くと足が取られて大変。

時には膝から股まで潜った。

今日現在の状況だと所謂軽アイゼン、土踏まずに僅に爪が出たものでは役に立たない。

前爪のあるアイゼンは多少重いけどやはり安心だろう。

チェーンスパイクは爪は小さいが靴底をほぼカバーしてくれているので歩きやすいが、腐った残雪では御守り程度。

使う使わないはその時の状況で、前爪のあるアイゼンはザックに忍ばせて歩けば安心かな。

あとはそれぞれの力量によって選択してもらうしかないけど、積雪期、残雪期を歩いた経験の少ない登山者は、もう少し待った方がよいかな。

あと、踏み抜いたり滑ったりで歩きづらい残雪を逃げて歩くと道を外れることが多い時期。

日に日に融ける雪面のトレースは分かりづらい。

足下ばかりではなく周りの状況をしっかり見て歩きたい。

今回はスパッツを着けずに登ったが、靴の中はぐちゃぐちゃになった。スパッツもお忘れなく。


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